Romyが最新シングル「Love Who You Love」をリリースした。本作には同じくThe xxのメンバーであるJamie xxもプロデュースとして参加しており、グループとしての関係性が現在進行形で更新されていることを強く印象づける楽曲となっている。
さらにFUJI ROCK FESTIVAL ’26ではThe xxがヘッドライナーとして再集結することが発表され、大きな話題を呼んでいる。個々の活動とバンドとしての再接続が同時進行する中で、このシングルは重要な意味を持つ一曲だ。
The xxの歩み──静けさから世界的ミニマリズムへ
The xxは2005年、ロンドンで結成されたインディーポップ・バンドである。ギター、ベース、エレクトロニクスを極限まで削ぎ落としたミニマルなサウンドと、RomyとOliver Simによる対話的なボーカルスタイルで注目を集めた。
2009年のデビューアルバム『xx』は、静謐な空間性と感情の親密さを両立させた作品として高く評価され、マーキュリー賞を受賞。一躍、UKインディーシーンの中心的存在となる。
続く『Coexist』(2012年)ではより抽象度の高いサウンドへと進化し、余白と反復を強調したミニマルな方向性を深化させた。
そして『I See You』(2017年)では、プロダクションにJamie xxがより深く関わり、クラブミュージックやダンス・ミュージックの要素が大胆に導入されることで、バンドとしての外向性が大きく拡張された。
休止とソロ活動、そして再接続へ
2018年以降、メンバーはそれぞれソロ活動へと移行。Jamie xxはプロデューサー/DJとしてクラブ・カルチャーの最前線で評価を高め、Romyはよりパーソナルなダンス・ポップへと表現領域を広げていった。
その流れの中でリリースされた「Love Who You Love」は、Romyのソロとしての成熟と同時に、The xxというユニットの美学が依然として共有されていることを示している。特にJamie xxのプロダクション参加は、単なる客演ではなく“文脈の再接続”として機能している点が重要だ。
「Love Who You Love」が示す現在地
本楽曲は、The xx初期にあった極端なミニマリズムとは異なり、より身体性のあるダンス・ミュージックへと接近している。しかしその中心には、常に“余白”と“感情の親密さ”が残されている。
ビートは明確にクラブ志向へと傾きながらも、ボーカルはあくまで内省的で、リスナーとの距離は近いままだ。これはRomyのソロ活動の延長線上にありつつも、The xxの美学を別角度から再解釈したものと言える。
FUJI ROCKでの再集結が意味するもの
FUJI ROCK FESTIVAL ’26でのヘッドライナー出演は、単なる再結成以上の意味を持つだろう。バンドとしての過去を“再演”するのではなく、各メンバーがソロで獲得した文脈を持ち寄り、再び交差させる場になる可能性が高い。
「Love Who You Love」は、その前夜に提示されたひとつの回答でもあり、The xxというプロジェクトが“停止”ではなく“拡張”として存在し続けていることを示している。